2024年5月31日交流戦2カード目が始まったプロ野球ですが、今年初のパリーグ球団の本拠地での開催となりDH制の試合となりました。
DHと言えば、多くの場合投手が打席に入らず、代わりに首位につか内野手が打席に入ることが一般的で、チームにとっては打撃面でプラスになることが多いです。
しかし、このDHが使えるにもかかわらず2チームがあえてDHを解除するということが起きました。
この記事では、なぜそのようなことが起きたのか見ていきたいと思います。
・DH解除のルール
・阪神のDH解除の経緯
・DeNAのDH解除の経緯
DH解除のルール
DH解除とはその名の通り、あえてDH制を外し投手を含めた9人のメンバーにすることです。
この場合、投手にも打順が回るようになります。
DHへの代打・代走
DHの打者に対して代打や代走を出すことは可能です。
その場合、代わった選手がそのままDHの打順に入ります。
DH起用の選手が守備に就くことは可能
結論から言うとDH起用された選手(代打・代走で交代しDHの打順に入っている選手含む)が、守備に就くことは可能です。
しかし、これをしてしまうと問題が起きてきます。
野球規則5.11 (a) (12)
指名打者が守備位置に就いたときは、それ以降指名打者の役割は消滅
このように、ルールで決まっているため、DHが消滅してしまいます。
これを”DH解除“と呼んでいます。
そして、一般的には退いた選手の打順に投手が入る方たちとなります。
DH解除の意義
DHには打撃特化の選手が入ることが多いですが、試合が進むにつれて代打や代走で選手が入れ替わったりし、守備うまい選手がDHに入ったり、ポジションの関係でDHを解除せざる負えない場合が出てきます。
その場合、あえてDHを解除して守備に就かせる場合がありますが注意が必要です。
それは、相手はDHは残っている中こちらの攻撃は投手が打席に入るようになるので、攻撃面で大きなハンデになることです。
そんな、ハンデを負いながら使う場面とはどのような時なのでしょう?
①抑えれば勝てる状況で投手に打席が回らない
まず考えられるのが最終回抑えると勝ちで投手に打席が回らない場合の守備固めです。
ただ、注意したいのが延長戦になるとかなりのハンデになります。
②投手に打席が回っても代打が十分にいる
あまり使われないケースですが、投手に打席が回っても代打が十分にいて問題にならないケースです。
③二刀流
特例ですが、過去に日本ハムファイターズ時代の大谷選手がDHで出場し、DHを解除しマウンドに上がったことがあります。
投手枠が大谷選手なら何も痛手にならないのでDH解除と言ってもデメリットになりませんね。
うまく制度を使った器用ですが、可能な選手がいないのが難点です。
阪神タイガースのケース
スターティングメンバーとDH起用選手
ZOZOマリンスタジアムで行われた対千葉ロッテマリーンズ戦
阪神のスターティングメンバーは以下の通りでした。
6番にDHで前川選手が入っていました。
この日、前川選手は3打数3安打3打点1本塁打と大当たりでした。
DH解除の経緯
DH解除のきっかけになったのが9回の攻撃です。
4 対 3と阪神がリードして迎えた9回表は4番大山選手からと言う打順でした。
大山選手は、センターフライに倒れ、続く5番三塁糸原選手の打順で渡邊選手が代打で送られました。
渡邊選手はショートゴロに倒れ、続く6番DH前川選手の打順で原口選手が代打で送られ、レフト前ヒットを放ちました。
出塁した原口選手の代走に熊谷選手が起用され、けん制死し9回の表の攻撃が終わりました。
ここまでを整理すると、下記のとおりです。
9回表 4 – 3 で7阪神リードの阪神の攻撃
4番 一塁 大山選手 センターフライ 1out
5番 三塁 糸原選手
→代打 渡邊選手 ショートゴロ 2out
6番 DH 前川選手
→代打 原口選手 レフト前ヒットで出塁
→代走 熊谷選手 せい制死 3out
よってこの時点では、このようなメンバーになっています。
※8番でスタメンであった島田選手は8回表に代打で小野寺選手と代わり、8回裏の守備から小野寺選手に代わって上田選手が入っています。
あとは、抑えれば勝ちと言う状況で登板したのは抑え投手の一角のゲラ投手です。
そして、三塁には熊谷選手が起用されました。
DHに入っていた、熊谷選手が守備に就いたことでDHが解除され6番にゲラ選手が入りました。
抑えれば勝ち、試合終了なので投手に打席が回らないので問題ないのですが、この時ベンチの野手は
・梅野選手
・小幡選手
・ミエセス選手
の3人で延長を戦うにはあまりにも厳しい状況でした。
その後の試合展開は、
9回裏にロッテが1点とり4 – 4で延長戦へ
10回裏にロッテが1点とり4 – 5xでサヨナラ勝ち
このように、ロッテがサヨナラ勝ちを収めています。
結果として投手まで打順が回らなかったので、DH解除が勝敗を左右したとは言えませんが、このまま延長戦が続いていたら、阪神がより不利になっていたかもしれません。
まとめ
・DHの打順に入っている選手が守備に就く際にDHは消滅し投手が打順に入る
・このことをDH解除とよぶ
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